日常生活に制限が多く、子どもたち(利用者)もストレスがたまっています。
医療的ケアが必要な子どもたち(利用者)への対応のポイントについて教えてください。
感染拡大防止のため、最近は外出自粛や面会制限が続いています。こうした状況が長引くと、高齢の利用者の皆さんの認知症が悪化してしまうのではないかと心配です。
利用者のなかには、マスクをつけることを嫌がる方がいます。なぜマスクをつけるのが難しいのでしょうか。
マスクをつけていると表情が分かりづらくなりますが、利用者さんと話すときはどんなことに気を付けるといいですか?
日常生活に制限が多く、子どもたち(利用者)もストレスがたまっています。
かかわりのポイント
正しい情報を、分かりやすい言葉で説明してあげましょう。怖い気持ちや間違った思い込みがあれば聞いてあげ、まずは否定せずに共感してあげましょう。そうすることで安心感を取り戻すことができます。
COVID19にならないためにすることや、他の人にうつさないためにすること
(厚生労働省)
感染対策の方法などについて、お子さんや外国人の方にも分かりやすい平易な日本語で記載されています。
医療的ケアが必要な子どもたち(利用者)への対応のポイントについて教えてください。
かかわりのポイント
医療的ケア児の新型コロナウイルス感染症対策では、手洗いや手指消毒、手袋やマスク等の防護用具の使用を一層徹底するとともに、できる限り子どもの様子を丁寧に観察し、早期発見、早期対応に努めることが大切です。厚生労働省の事務連絡で特に配慮する点がまとめられていますので、ご確認ください。
障害福祉サービス等事業所における新型コロナウイルス感染症への対応等について~6.医療的ケア児に関する事項
(厚生労働省)
医療的ケア児に関する事務連絡がまとめられています。
感染拡大防止のため、最近は外出自粛や面会制限が続いています。こうした状況が長引くと、高齢の利用者の皆さんの認知症が悪化してしまうのではないかと心配です。
かかわりのポイント
認知症の方は、情報サービスへのアクセスが困難な場合や、新しい生活様式への適応が困難である可能性があります。さらに、感染拡大防止のための外出自粛や施設での面会制限によって、身体機能の低下や認知機能の低下、行動心理症状の増悪といった影響が出ていることが広島大学の調査で分かっています。そのため、通所サービス利用者の場合は、ご家族の負担も増加します。
また、日本老年学的評価研究(Japan Gerontological Evaluation Study,JAGES)の研究からも、人との交流や外出の機会がなく社会参加できない(=社会的孤立、閉じこもり状態)高齢者は、認知症の発症・悪化、うつ病の発症、高血圧症・糖尿病の悪化、転倒などにより要介護状態に至るといったリスクが増大することが分かっています。
感染リスクを抑えつつ、外出や人との交流、社会参加の機会を増やすには、密集を避け少人数で外出する、密閉空間を避け換気した室内や屋外で密接を避けた交流をする、また電話やメール、インターネット使った交流を取り入れることも効果的です。
〔新型コロナウイルスによる高齢者への影響についての調査〕
新型コロナウイルス感染症の拡大による認知症をもつ方・ご家族への影響
(研究結果)(広島大学大学院医系科学研究科 共生社会医学講座)
新型コロナウイルス感染症流行下での高齢者の生活への示唆:JAGES研究レビュー
(木村美也子,尾島俊之,近藤克則)
JAGES Press Release No: 210-20-1
利用者のなかには、マスクをつけることを嫌がる方がいます。なぜマスクをつけるのが難しいのでしょうか。
かかわりのポイント
■ADHDや発達障害のある人の場合
感覚が過敏なために、口にあたるマスクの触り心地や耳にかけるゴムが不快に感じるなど、他者より敏感に感じとってしまう場合があります。そのためマスクをつけられない、長時間つけるのが難しいといったことが起こります。
マスク等の着用が困難な状態にある発達障害のある方等への理解について
(厚生労働省)
■認知症を持っている人の場合
マスクをつける理由が分からない、口や鼻を塞がれることで息苦しさを感じるといった場合があり、マスクの着用が難しいことがあります。マスクをしていることで意思疎通が取りにくく、不安に思われることもあります。一時的にマスクを外せる機会を設けたり、サイズの合うマスクで、呼吸しやすい姿勢を整えるなど、不快感やストレスを軽減する工夫も良いでしょう。
認知症をお持ちの方とご家族の方へパンフレット
(広島大学大学院医系科学研究科 共生社会医学講座)
マスクをつけていると表情が分かりづらくなりますが、利用者さんと話すときはどんなことに気を付けるといいですか?
かかわりのポイント
マスクをつけていると口や目の位置が分かりづらく普段の表情と異なるため、どのような意図で話しているか分かりづらくなりますが、声の調子や話し方などで相手に感情を伝えることは可能です。
また、発達障害の人はもともと表情を読むことが苦手という特性があります。クリアパーテーションや距離の確保などの対策をしてマスクを外し、ゆっくりと穏やかな口調で、口の形がはっきり見えるようにしながら伝えると分かりやすいでしょう。