感染を隠さないですむように
職員から、休日に感染拡大地域に出かけていたと話がありました。本人はもし感染していたら…と不安な様子でした。感染はできるだけ防ぎたいですが、職員の生活も大切です。
かかわりのポイント
不安・恐怖:通常勤務を行う職員は、自分が感染していたらどうしよう、職場や周囲の人から強く責められるのではないかという不安や恐怖を感じることが多くあります。
努力や配慮をしていても感染することがある、ということを言葉にすることで、感染した場合に職場で非難されることの恐怖をやわらげましょう。
感染リスクのある行動:仕事と自分の人生のバランスを取る以上、まったく感染のリスクがない生活はできません。職員が訪れる場所が、あとから感染者の発生した場所だと知る場合があります。
職員が、休日中の行動によって不安を報告してくれた場合、報告してくれたことを労いながら、自分をいたわる方法としてセルフケアの方法を紹介するといいでしょう。
部下を持つ方へ・相談への対応
(厚生労働省「こころの耳」)
部下や同僚から心の不調について相談されたときには、どのように対応をすればよいかを紹介しています。
新型コロナウイルス感染症対策
(厚生労働省「こころの耳」)
新型コロナウイルス感染拡大により感じている不安やストレスと、上手に付き合うためのアドバイスなどが掲載されています
職員のメンタルヘルスが気になったら
最近、ため息の回数が多い職員がいます。なんだか疲れているようなのですが、そのような職員にはどう声掛けをしたらいいでしょうか?
かかわりのポイント
ポイント1
職員の心の健康が気になったら、「疲れているようだけど、少し時間をもらえる?」など、心の健康に気を配っていることを言葉にします。対応の最初は安心して話せる関係性づくりが大切です。
ポイント2
職員の心身の健康状態について話題にします。「眠れていないんじゃない?」と聞く方法もありますが、WHOの健康調査票では「ぐっすり眠れている日は、どれくらいもてていますか?」と聞きます。
ポイント3
よく眠れていないなど健康状態が低い場合、そのことに関係する経験を聞きます。その時、「なぜそうなの?」と聞くと詰問されている印象を受けるかもしれません。「そのことに関係する経験で、思い当たることがあったら教えてください。」という方が、相手への関心を伝えることができます。
サイコロジカル・リカバリー・スキル実施の手引き | 兵庫県こころのケアセンター Hyogo Institute for Traumatic Stress (j-hits.org)
ポイント4
心理的危機の時には、孤独感を減らすことが有益です。「あなたにとってつながりのある人を見つけましょう」と伝えます。
ポイント5
危機状態の時はセルフケアの優先度が下がりますが、気分を変えるには行動を変えて、楽しみを見つける必要があります。「自分をいたわる方法を思い出し、自分の時間に取り入れましょう」と伝えます。
職員が新型コロナウイルスに感染したら
職員が感染して(または、濃厚接触者となって)しまいました。
かかわりのポイント
ポイント1
感染または濃厚接触者となって自宅待機になった職員は、大きな精神的ダメージを受けていると考えられます。その職員に対する声掛けが大切です。
ポイント2
残った職員で対応できるのか、県などを通じて応援職員の派遣を要請する必要があるのかを確認します。
ポイント3
感染者が発生したことの周知、勤務表の改訂、職員への心理的ケア、行政機関への応援要請を行います。
ポイント4
利用者や地域住民への説明、職員や利用者が差別や偏見の対象となる可能性もありそのケアも必要です。
ポイント5
傷病手当金(厚生労働省、健康保険法に基づく給付金)や労災補償に関する情報を整理します。休業期間の給与に関する見解(賃金ではなく休業補償)を伝えます。
ポイント6
感染した職員も、そのほかの職員も心理的ダメージから回復しきっていない可能性を踏まえて対応します。
<事例>
日本赤十字社
「新型コロナウイルス」障害者支援施設のSOSに応えて~北見赤十字病院を中心とした医療チームの派遣~
自治体・事業所等の取組
(厚生労働省)
自治体の応援職員の派遣などの事例が掲載されています。